古本屋とコレクター

古本屋というものは、お客さんのために本の買取をすることや、コレクションを集める代理でもあるのですが、自分自身がコレクターとなってはダメなのです。

本の買取をして収集していると、次第に本を売るのがもったいないと感じ始め、売り惜しみをすることや、自分の部屋にしまい込んでしまう人がいるのですが、そうなっては商売になりませんし、買取で仕入れた本は、その本を求めているお客さんに売るべきです。

これは古書店の心構えとして必要なことでして、度かかの古本屋で明治時代の状態の良い本を非売品として飾ってあるという店があり、怒りを覚えたお客さんも少なくないです。

商売として店を持つのであれば、本を好きであることは良いのですが、自分のコレクションにして店先に飾り、売らずに自慢するために置いておくことは好ましくありませんし、早く嫁にもらいこの家から出ていくようにと思うべきなのです。

古本屋を出店するに大事なのは、最初にどのような店にしたいのかという事をイメージすることでして、そのイメージからぼんやりとした輪郭が形成され、色をまとっていきます。

現在の大手チェーン店もそうなのですが、20年以上も前に新たな古本屋が出現しまして、本を定価の半額で売るというものなのですが、価値のある本でも、そうでないものでも、本の内容に関係なく半額で販売するという乱雑なやり方で、本の知識がない素人でも出来てしまうビジネスでして、これは本の買取も同様に値打ちがあっても関係ありません。

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敬意を払って本を買取する

20年ほど前は、私も定価の半額で古本を売っていまして、本の相場や値打ちを無視して、本の価値も分かりませんでしかから、買取した本を機械的に本棚に並べ、値段のラベルなども貼らずに、定価の半額で売ることをしていました。

このようにして開店しての時は、「この本屋の店主は本のことを判っていない」と、高価な本も安く買えるので興奮して購入し、中には同じ街の古本屋の店主までが訪れて、本を荒らすようにして買い付けに来るという始末でして、例えば、河井寛次郎全集も定価800円くらいなので、それを400円で仕入れられるとなると、誰でも飛びつきますし、初版であろうと限定本あろうと関係なくなってくるわけです。

知らないという事は恐ろしいもので、本には1冊ずつそれぞれに魂が宿っており、その人にとっても、その他の沢山の人にとっても、かけがえのない本なのです。

それを100円均一などで売ってしまっては、本があまりにもかわいそうですし、本に対して失礼な話ですから、お客さんが持ちでくる本に対しても、それなり敬意を払って買取するべきで、古本屋は本に対して相応の価値と礼儀を知るべきなのです。

ところで、古本屋をやろうとしている人に質問なのですが、本の在庫は持っているのでしょうか、ネット通販で売るにしても、店舗を設けて売るにしても、最低1万冊以上なければ来店率も下がりますし、そもそも格好が付きません。

自分の蔵書でもいですし、実家の蔵書でも良いので、本の準備はしっかりしましょう。